もの研特派員報告:森の駅セミナ― 「自然に遊ぶ 学ぶとは!?」 魚沼伝習館
2011年9月12日(月)、「森の駅」主催の第3回定例会が、原宿「ベニ―レ・ベニ―レ」にて開催されました。
講演は「自然に遊ぶ 学ぶとは!?」 講師は新潟県の魚沼伝習館の坂本恭一理事長です。
この定例会は、地域交流センタ-「森の駅推進協議会」の主催で、その9月定例会です。
前回は5月に「目黒の森探索会」を自然教育園において開催、とても盛況でした。
「森の駅」は、日本の森を元気にするための市民活動です。森の現状を知り、何をすれば良いか考え様々な活動を展開しています。
今回の出席者は約30名。
●第1部=講演「自然に遊ぶ 学ぶとは!?」自然資源を生かした集落再生
新潟県の魚沼は「魚沼コシヒカリ」で有名です。
魚沼市はとても広く946平方キロに4万3千人。一方、東京23区は622平方キロに897万人。
東京都よりはるかに広い面積。魚沼市の84%が森林です。
坂本さんの活動拠点は、只見線の越後須原から山の中に入った「福山新田」という所です。
元々、横浜にお住まいの坂本さんは、アウトドア-が大好き、いずれ田舎暮らしがしたいと望んでいました。
丁度会社はもうじき定年で年金暮らし。それならいっそ田舎に住みたい。
希望は「新鮮な美味いモノが喰える所」「四季がはっきりしている所」「アウトドア―を楽しめる所」と考えたそうです。
福山に入って驚いた事は、地域の子供達は学校から帰ると、家の中でTVやファミコンゲ-ム、学習塾に行ってしまい、
せっかく自然が豊富でありながら、外で遊ばない事です。まるで都会の子供と同じ。
学校の先生も虫が嫌いで、自然が苦手という方が多いそうです。
こうした教育の現状を憂いて、坂本さんは「NPO法人野外教育学習センタ- 魚沼伝習館」を設立しました。
「魚沼伝習館」の2つの理念は、「青少年育成事業」と「地域づくり事業」です。
これまでの活動は●うおぬまわくわくキッズ●魚沼・南魚沼地域子ども教室●里山森林整備を基本とした環境プログラム
●ハ-トリレ―キャンプ等です。
キャンプといえば、2・3日間が普通ですが、ここでは2・3週間の連続キャンプを、全国から参加者を募い開催しています。
資料には「福山の夢楽人(むらびと)」として、こんな記事がありました。
新潟県魚沼に「福山」という地がある…ここに、夢に向かって楽しみながら生き抜く人たちがいます。
「夢楽人」とは? 昨今、限界集落といわれるように、地域コミュニティが失われようとしています。
そこで、私たちは、田舎暮らし望み移住・定住者を中心に、集落活性を目的に、地域資源を利用した農産物、特産品を作っています。
その集団が「夢楽人」です。
福山の夢楽人の作る田舎の幸せは、米・米粉・野菜・山菜・キノコ・みそ・まき・炭等。
又、工芸品は、こけし・わら細工・木工品等です。Netにて全国宅配中。
いずれは、自然環境・農業・林業・畜産を活性化させ、次世代の担い手の育て、地域を活性化したいという大きな構想です。
いわゆる、地域資源を利用・活用した集落再生支援業務という事になります。
●第2部=交流会
参加者一人一人の自己紹介の後、講師への質疑応答。ビ-ル・ソフトドリンク・軽食をつまみながら、なごやかな雰囲気で名刺交換、
又、出席者の意見を率直に講師に質疑応答し、大変有意義な交流会となりました。
次回は、11月高尾山に出かける予定です。
私は、「限界集落」という言葉すら知りませんでした。「過疎化」とも違うようです。
田舎と都会の問題、埋もれている森林資源の活用等、いろいろと考えるきっかけになりました。
魚沼の里に飛びたる赤蜻蛉 荒木春雪子
主任研究員 荒木隆一