もの研展示会情報「鮭から作った鮭醤油」
第51回国際食品素材・添加物展に訪れた際に見つけた「鮭醤油」。
醤油といえば、一般には大豆から造られるはず。
しかし展示パネルには「小泉武夫先生のプロデュース、
佐藤水産の魚醤でつくられた鮭醤油」とあるではありませんか。
小泉武夫先生と言えば、醗酵学の第一人者、東京農業大学の名誉教授。
昨年、恵比寿ガ-デンプレイスにて、小泉先生の「醗酵は旨い」という講演と、
世界の醗酵文化の調査スライドを見て感動したことを思い出しました。
出展者の北海道石狩市の佐藤水産(株)営業課の山本氏によれば、
「鮭醤油は石狩産の新鮮な鮭の内臓を醗酵させて造った魚醤。
佐藤水産はもともと、石狩川の天然鮭を使って新巻鮭や加工品の
製造業者ですが、大量に捨てられてしまう鮭の内臓や頭、白子を
なんとか活用出来ないかと考え、鮭の魚醤「鮭醤油」を開発しました。
大きな杉樽に寝かせ、もろみを搾り醗酵させ約四ヶ月間、
浮かんでくる灰汁や油を丹念にすくうなど、手間暇かけて製造します。
醗酵させることで魚臭さは全くなく、旨味成分のグルタミン酸やミネラルが
豊富に含まれているんですよ」とのこと。
なお、鮭醤油を使った一番おいしい料理は、
炊きたてごはんに新鮮な卵を割り、この鮭醤を数滴垂らして食べるのが一番だとか。
早速その晩「生卵に鮭醤油かけごはん」を作り食べてみました。
その、美味いことと言ったら!魚特有の臭みは全くなく、実にコクのある深い味わい。
「醤油といっても醗酵食品、いろいろな地域の特産物を活かした奥の深いモノだ」と
感心し、醗酵食品の奥の深さに興味が湧きました。
「鮭醤油」の価格は(税込) 150ml=330円・500ml=700円・
720ml=1,000円・1800ml=1,800円
石狩の鮭を想ひて卯波かな 荒木春雪子
主任研究員 荒木隆一