もの研特派員報告:ギフトショ-会津塗の車

もの研特派員報告:
伝統工芸会津塗の車ギフトショ-に出品!

早春の2月「第75回東京インタ-ナショナル・ギフト・ショ-春2013」が、
2013年2月6日(水)~8日(金)、東京ビッグサイトにて盛大に開催されました。
今回のテ-マは「潤いのある花とグリ―ンと生花雑貨のナチュラルライフ
スタイルの提案」。
心を満足させるギフトで人々に元気を与え、世の中をより良くしてゆく情報の発
信。業種の垣根を越え新たな出会い、創造的価値のある見本市です。今回の出展
企業は2,500社。
私は主に、日本の伝統的工芸品の新しい提案商品群を見てまわりました。

東館5ホ―ル中央、伝統とModernの日本ブランドコ-ナ-「会津漆器協同組合」
ブ―スで思わず目を見張りました。
なんと、会津塗のきらびやかな一台の車が、鎮座していました。
「これは会津藩の殿様の御車かな?」と一瞬思いました。実に丹念に会津塗が施
されていて、それはそれは豪華絢爛たる御車です。

タイトルは、「会津塗 菊桐紋蒔絵 smart」。
制作者の福島県ハイテクプラザさんの説明によると、まず車体は、旧ダイムラ―
・クライスラ―社のコンパクトカ―「smart」(現メルセデス・ベンツ社)。この
車体に会津塗技法を駆使して製作されたもの。
四百年以上の歴史と伝統を誇る会津塗、とりわけこの「菊桐紋朱磨き蒔絵」とは、
漆で図案を描き、朱の色粉を蒔き付け、摺り漆で塗り面を止め、乾く直前に何度
も磨き上げて、この色彩を出します。更に、貝殻を使った「螺鈿」の技法も駆使
して塗り込み、仕上げています。
車体のトップコ-トとしては、ハイテク技術で開発された「含漆UV塗料」を塗布
して、ようやく完成された逸品の車です。
会津の伝統工芸の技を、革新的技法で製品に活かし、未来の日本の伝統技法として
発展させていきたい、と考えています。

私は、以前ギフト・ショ-で、燕三条ブ-スでピッカピカの「スバルR1」の展示を
思い出しました。あれはステンレス磨きのプロ集団「磨き屋シンジケ-ト」さん
の作品だった。同じ車でも「会津塗 菊桐紋蒔絵」では、こんなにも伝統工芸的
な表現になる。会津塗と言っても、お椀や杯だけでなくもっとさまざまな用途に
活用出来るのだ。改めて伝統工芸の技の、奥の深さに感動しました。

会津塗の車あでやか春動く  荒木春雪子

主任研究員 荒木隆一

Filed under: なんだかんだ — hojo 12:18
トラックバック

このエントリーのトラックバックURL: