2009 年 11 月 17 日
日本の味・旬の味。《11月・お魚編》
【ハタハタ】と読みます。11月から12月に旬を迎えます。産地では秋田が有名で、県の魚として指定されています。魚へんに神と書くのは、冬の日本海は雷(神鳴り)が多く、この時期の沿岸に多く集まることによるようです。一見、難読漢字のようですが、いわれを知ると納得できますね。
焼いて食べる以外に秋田では、長時間熟成させ、野菜と一緒に漬け込んだ「はたはた寿司」が名物。また、魚醤としての「しょっつる」の原料でもあり、江戸時代より万能調味料として活躍してきました。
実はこのハタハタ、乱獲によって90年代初頭には絶滅の危機にありました。そこを乗り切ったのは、地元漁師たちによる3年間にわたる自主的な全面禁漁でした。これは漁師たちが自主的に規制をした世界で初めての、そして唯一のケースといわれています。
その後、地元の水産振興センターの研究者による生態解明と養殖技術の進展にあわせ、資源管理型漁業へと転換。こうして91年には70tだったのが2003年には3000tにまで回復したのです。郷土の味、食材としての「ハタハタ」はこうして地元の人によって守られたのでした。
Filed under: 食文化再発見の旅 — nakahashi 18:04
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