もの研特派員報告 佐渡朱鷺大学第2回公開講座

2010年11月12日(金)
表参道ネスパス新潟3F会議室

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先週金曜日、第2回目の佐渡朱鷺大学が開講されました。
主催者「NPO法人さど」の代表理事、北條規氏
(株式会社ものづくり研究所、代表取締役)の挨拶のあと、
岩首集落の大石惣一郎氏による第1部講演会が行われました。

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今年収穫した棚田米のおむすびが参加者に配られ、
米作りの現場からの報告をおいしく味わいながら聞けました。

第2部講演会は「観光だけでは味わえない佐渡の魅力と
環境活動」をテーマにNPO法人さどの北條規氏、佐渡大願寺住職の
臼木悦生氏による報告です。

佐渡でなければ体験できないさまざまな体験学習は、
とてもイキイキとして魅力的でした。
中でも汗を流して泥まみれになって作ったビオト-プ作りは、
参加者全員の一体感が生まれた貴重な体験であったようです。 

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第3部はパネルディスカッションです。
パネリストは、IUCN(国際自然保護連合)プロジェクトオフィサ-の
古田尚也氏より、10月に名古屋で開催されたCOP10についての報告が
行われました。

世界中の無数の生物が、個々の環境に応じた相互の関係を築きながら、
多様な生態系を形成して、地球環境環境と私達の暮らしを
支えていることを、再確認させられる貴重なお話しでした。

続いて慶應義塾大学経済学部教授の大沼あゆみ氏より、
兵庫県豊岡市のコウノトリの野生復帰と稲作の経済効果、
コウノトリの野生復帰で増加した観光客数と支出額等を現地で調査され、
産業関連分析で経済効果をまとめた発表がありました。
 
結論としてこのような取り組みは、自治体が生物多様性保全を行うことの
積極的論拠になり、無関心な人々も積極的な評価を行う可能性につながる。
ゆえに佐渡の朱鷺の事例でも、その経済効果は充分拡大していくと予想される
とのことです。

今回の「佐渡朱鷺大学」の内容は、現地でに稲作作りや交流会活動報告、
国際会議報告、更に他地域の事例研究報告と、グロ-バルな立体的角度で
考えることができて大変勉強になりました。

佐渡の朱鷺と稲作の取り組みは、地球上の明日の自然と社会の、
より良い関わり合いを探る、貴重な社会運動のひとつなのだと
強く実感しました。

講座の後、「お食事処新潟食楽園」にて楽しい交流会となりました。

                  
                      主任研究員 荒木隆一

Filed under: 特派員レポート — nakahashi 15:40
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