もの研特派員報告 佐渡朱鷺大学 第4回公開講座 「朱鷺と能の島 佐渡の魅力」

夏らしくない曇り空の7月29日(金)、表参道ネスパス新潟3F会議室に於いて、第4回佐渡朱鷺大学が開講されました。
最初に、主催者の「NPO法人さど」の代表理事、北條規氏(国指定重要文化財北條家)の挨拶。
自然界での「朱鷺2世」誕生が期待されていますが、今季7組が産卵したもの、夢は叶いませんでした。
一方嬉しい話題がありました。国連機関認定の「世界農業遺産」に新潟・佐渡市と石川・能登半島が決まりました。
佐渡市は「朱鷺と共に生きるための農薬を減らした農業」。能登半島は「伝統的な棚田」です。

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第1部 講演会「世界の環境戦略と佐渡の環境-これからの環境戦略を考える」
講師:古田尚也氏 IUCN(国際自然保護連合)プロジェクトオフィサ-
世界最初の国立公園、世界自然遺産のアメリカ・イエロ-スト-ン国立公園から始まる、世界の自然保護の必然性と
具体的な取り組み事例を、スライドを用いてわかりやすく説明されました。
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第2部 講演会「世阿弥配流の佐渡能の魅力」
講師:児玉信氏 石川県立音楽堂プロデュ-サ- 日本大学芸術学部演劇学科講師
なぜ、佐渡に能が伝統芸能として、今も深く地元民に根付いているのか、その歴史や、鬼太鼓・おけさ踊・春駒などの
民族芸能の展開をスライドとビデオで、いきいきと説明されました。
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第3部 佐渡朱鷺大学からのお知らせ
★新潟県朱鷺野生復帰支援事業(新潟県:遠藤氏) ★佐渡市(越前氏) ★佐渡観光協会(加藤氏)
佐渡の朱鷺をめぐるこれまでの取り組み実績や、佐渡朱鷺大学プレミアムツア-の案内などの報告・紹介がありました。

最後に主催者の「NPO法人さど」の事務局長、臼木悦生氏(佐渡大願寺住職)の挨拶にて終わりました。
今回は、佐渡の朱鷺の自然保護だけでなく、佐渡の伝統芸能である能を取り上げ、自然と文化の両方の側面から、
佐渡の魅力について講演した今までにない画期的な公開講座でした。

★講座の後「お食事処新潟食楽園」にて、佐渡の地酒を酌み交わしながら交流会が行われました。
私は、あるテ-ブルで佐渡出身の方々から、「佐渡能」が今も地元民に息づき、若い世代に伝えられている郷土芸能の
様子の具体的な話を聞き、先程の講演の発表と合わせて「これぞ、にっぽんを残そう!」だ、と感動を新たにしました。
日本中の各地域にこうした郷土芸能が、細々と伝えられていますが、大切な文化遺産として守り伝えて行きたいものです。

★佐渡朱鷺大学は、出席するたび新しい知識が学べるだけでなく「今の世の中に何が必要か」という事を考えさせられる公開講座です。
次回は秋に開催との話、皆さん大いに出席しましょう。

主任研究員 荒木隆一


Filed under: なんだかんだ — hojo 13:31
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