もの研特派員報告 豪雪の「トヨタ白川郷自然学校」

1月28日(土)29日(日)の二日間、愛知県豊田の親戚に誘われ「世界遺産、雪の白川郷のライトアップ」を見に行きました。
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私は最初宿泊は「白川郷…合掌作りの民家…囲炉裏…」と思っていました。
ところが、親戚から今回は「トヨタ白川郷自然学校」に宿泊との話。「これはきっとトヨタ自動車の合宿研修所?」と思いました。

高山線高山駅に、親戚から出迎えてもらい、いくつもトンネルをくぐり、ようやく白川郷の町へ、更に車は山の上に向いました。

目的の「トヨタ白川郷自然学校」は明るい茶色の近代的な建物、豪雪に埋もれています。中から元気よく若い女性スタッフが、
飛び出してきました。大型荷物運搬用のカ-トを出して、我々の重い荷物をせっせと運んでくれます。
ロビ-には売店、暖炉はあかあかと薪が燃えています。驚きました!テキパキした客の対応、近代的設備、まるでリゾ-トホテルです。
2階の和室は落ちついた4人部屋、窓からは一面の雪山と雪原、大きな東屋が雪に埋もれていました。
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「トヨタ白川郷自然学校」の建つ白川村馬狩地区は、大変な豪雪地帯、その生活の厳しさから、地元住民が集団離村した程の地区です。
1973年、トヨタ自動車が同地を購入、会社の保養所として使われていました。
その後、1995年世界遺産登録や、1997年京都議定書等の環境意識の高まりを受けて、この地を自然体験型の環境教育フィ-ルドとして、
活用したいという強い想いから、「トヨタ白川郷自然学校」として2005年4月に実現されました。
現在、白川村・環境関連NGO・トヨタ自動車の三者が運営しています。自然との共生・地域との共生を大切にした運営です。
訪れるお客様から、四季を通じて白川郷の豊かな自然環境に親しんでもらおうという目的でたてられた施設です。
自然観察のネイチャ-ガイドが常駐、申し込めば別料金で、周囲の自然観察のガイドをしてくれます。
もちろん、トヨタの社員でなくともだれでも宿泊出来ます。

館内設備は洋室・和室・温泉の他に、セミナ-ハウスでは、自然体験プログラムや講演会の出来る催事ホ-ル、研修室もあるので、
会社や団体・研究会の合宿研修には最適です。

さて、冬の最大の目玉はなんといっても、合掌作りの民家のライトアップです。これを眺める一番の展望台は、丘の上の荻町展望台です。
自然学校は、この坂の下近くの駐車場まで送迎バスで送り迎えしてくれます。
1月28日(土)はライトアップの日、しかもめったにない、晴天の夕方、月と星が見えています。もう、大勢の観光客でごったがえしています。
まるで、夜祭りです。ライトアップは夕方の5時30分から。
気温は零下、坂道は除雪してありますが、ガリガリに氷っています。長い坂道をこわごわと登り、ようやく荻町展望台にたどりつくと、
大変な黒山の人垣!とても見下ろせません。
聞く所によると、カメラマンは昼間から陣取って、三脚を立てているそうです。
結局全く見る事は出来ずあきらめ、下りの坂道から雪の壁ごしに撮影しました。

自然学校に戻り、遅めの夕食を、自然学校内のフランス料理のレストランでいただきました。
一流シェフの腕をふるったフランス料理のフルコ-ス。美味しいワインで乾杯!
ゆっくり語り合いながら味わいました。
富山県の氷見漁港で獲れた真鯛のグリル、白川村で育てた有機野菜など自然素材のコ-ス料理、格別の味です。

翌日は、食後に学校の周囲の雪原を、スノ-シュ-を履いて自然観察です。
約一時間、自然観察のネイチャ-ガイドの説明を聞きながらのフィ-ルドワ-クに参加しました。

その後、自然学校をチェックアウト。昨夜見られなかった、荻町展望台に向いました。今晩はライトアップが無く、見物客は全くいません。
現金なものです。
白川郷の合掌作りの民家は、深い雪原の中に埋もれながらも、それぞれの民家が肩を寄せ合うように立っていました。

都会に住んでいると、豪雪の白川郷は全くの別世界です。しみじみ感じました。
しかし、あの厳しい自然環境の中で、高い理念を持って運営している「トヨタ白川郷自然学校」の努力は並大抵のものでないと、
感動を新たにしました。

★宿泊料金(お1人様・1泊2食付、消費税込)
和室四人部屋 大人2名 通常期間14,200・特別期間17,000
大人4名 通常期間12,200・特別期間14,600
他に洋室もあります。
特別期間=白川郷ライトアップ(1~2月の7日間)・GW・お盆・年末年始。

肩寄せて白川郷の雪の原     荒木春雪子

主任研究員 荒木隆一

Filed under: なんだかんだ — hojo 09:48
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