特派員報告:国際鉄道模型コンベンション
猛暑日の続くお盆休みの週。東京ビッグサイトは、ほとんどお休み状態。でも、一つだけ盛り上がっていた展示会がありました。
第13回「国際鉄道模型コンベンション」8月17日(金)~19(日)です。
会場に入ると、看板に出ていた巨大な蒸気機関車が展示してあります。「コッペル軍曹」のニックネ―ムで知られた、昭和20年代
廃線直後に活躍したE型軽便機関車です。
さて、会場を見渡すと、ほとんどがマニアの鉄道サ―クル出展の大きなジオラマセットの鉄道模型が、所狭しと並んでいます。
20代位のTシャツにジ―ンズ姿の鉄ちゃんファンで大いに盛り上がっています。
「ヤヤヤ…なつかしい新潟に抜ける上越国境、関越道のトンネルがある!」。
今や鉄道模型は、レトロな駅前広場や町並だけでなく、山や渓谷・トンネルまで造り、電車だけでなく高速道路まで造り車も乗せています。
大きなジオラマセットを仲間と造り、夢が盛り上がって良いが、家庭の中で造ったらたちまち家内から文句が出そう…と、
気の小さい私がよけいな心配をしていましたら、何と小さな可愛いジオラマセットに出会いました。
小型の丸い塔の上に、クルクルと江ノ車が走っています。
レンガの塔には山のトンネル、ブロックの塔の上には中世風の宮殿のセットもあります。皆、どのセットも手の上に乗るサイズです。
「スゴイ!これなら机の上に置き、家内から叱られずに済む!」
これは「ちびラマ」と呼び、神奈川県平塚市在住の小泉美紀さんの作品です。
「大きな鉄道模型は、費用と材料、場所さえあれば限りなく大きく造れる。でも、逆の発想で縮めていって、どこまで小さいセットで
造れるかな?」と思ったのがきっかけとの話。
塔の形にしたのは「普通、絶景と言えば一方向からの眺めでしかない。しかし、本来は360度眺められる景色である筈だ」との話。
販売目的ではなく、仕事の合間に創作する「ちびラマ」は、手作りでしか造れないミニチュアの鉄道ジオラマセット。
作者の創造への夢と情熱を感じさせる作品でした。
この他、四季の自然風景や、海外の観光地のジオラマと組み合わせた鉄道模型など、思わずハマってしまいそうな魅力的な展示会でした。
鉄チャンの鉄道模型入道雲 荒木春雪子
主任研究員 荒木隆一