主催:駿府本山お茶まつり委員会
場所:静岡市 浮月楼
静岡市内のお茶生産者や流通加工業者、文化団体でつくる駿府本山お茶まつり委員会による「茶詰めの儀」が浮月楼にて行われました。
この儀式は本山茶を愛飲したという家康公の故事にちなんだもので、今回出席者として参加しました。家康公は、本山茶の新茶を壺(つぼ)に詰めて井川の大日峠の茶蔵で熟成させ、秋に駿府城まで運ばせて味わったといわれています。茶詰めの儀では、壺に詰めるまでを行ったものです。
もとは徳川幕府の代官屋敷のあった土地であり、後に15代将軍慶喜が謹慎の身を水戸から移した際に平安神宮を手がけた小川治兵衛が作庭を施したもの。浮月楼は明治期になって料亭として開業されました。
久能山東照宮さんのご厚意により、徳川家康公の掛け軸が披露されました。10月24、25の両日に行う「駿府お茶壺道中行列」で駿府公園まで運び、久能山東照宮での「口切りの儀」で開封されるときに使われる籠です。
うら若き3人のお茶姫の登場です。
壇上に用意された儀式のための道具一そろい。
故事に習い、選ばれた茶師が丁寧に新茶を壺に詰めていきます。一番右側の海野さんはEXILEのような髪型となっていました。
粛々とした雰囲気の中で行われ、新茶が詰められた壺は掛け軸の前に供えられました。
そして3人のお茶姫による出席者への呈茶です。
よどみのない澄んだ黄金色が美しく、「ほほぅ」と思わずうなる上品な香り。口に含めばこれまたコクと爽やかさがハーモニーします。なるほど家康公が愛したのはこの風味でしたか…おまけにお茶姫に淹れられるとお茶もより味わい深いものに感じられますね。
茶壷に入れられたお茶は秋まで熟成させるために山室に収められました。10月に「お茶壺道中行列」がとり行われ、久能山東照宮で「口切の儀」などを催す予定となっています。