ものけん展示会情報「福井県 越前・若狭の物産と観光展」

1月末、京王百貨店新宿店で「福井県 越前・若狭の物産と観光展」が開催されました。

食のコーナーでも注目すべきは水ようかん。「福井ケンミンは、真冬コタツで水ようかんをたべる」と、TVの「秘密のケンミンショ-」で紹介されて以来、一躍話題を集めた人気者。
会場内でも番組にも紹介された「江川の水ようかん」はとりわけ賑わっていました。
お値段は一箱630円。小豆入りは680円で、2箱3箱と飛ぶように売れています。

私も食べてみましたが、やっぱり真夏に冷やして食べるあの「水ようかん」そのもの。
シャキッとした歯触りがなんとも心地良く、ほどよい甘み…
しかし、冬だからと味をかえているというワケでもないのに、なぜ食べるんでしょうか?

大正から昭和初期にかけて、丁稚(でっち)奉公する丁稚さんは里帰りの折りに、
土産として自分達で「水ようかん」を作って持ち帰っていました。
そして、それを家族みんなで集まって食べるという習慣が、根付いていったようです。

現在では、11月から3月頃まで県内の各和菓子屋さんで売り出され、お歳暮や正月など冬の贈り物にもなっているそうです。先の「江川」では県外のお客様が夏に買いに来られても、冬の期間限定品ということでお断りされるそうです。正月に里帰りした時の暖かい家族の甘い味。それが福井の水ようかんなんですね。
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越前はまた焼物でも知られています。
そこで少し変わった面白いものをみつけました。名前は「一輪挿しのできる箸置き」。

ちいさなミニの花瓶をつぶしたような形をしており、一見すると陶芸家の思いつきのアイデア作品に見えます。はじめて見た日には買わなかったのですが、どうも寝てからもあの箸置きが気になってしかたがありません。

翌日また売場をたずねて購入し、作家の方にお話を伺いました。
この作品は、いぶし焼きで造ったもので、「こんな遊び心のある箸置きがあったらいいな」と思って楽しんで造られたそうです。小さな花瓶をつぶせばそこに箸先を乗せられ、しかも花瓶の口には一輪の花を飾れる。そのアイデアに脱帽しました。作家の方いわく、「花だけでなく葉っぱを挿してもいいですよ」と。

これまでに、花器や箸置きは数限りなく見てきましたが、こんな可愛いアイデアの商品は見たことがありません。家族の祝い事やホ-ムパ-ティ、お友達を招待した食卓にこれを飾れば、きっと素敵な食卓になることでしょう。

今は小さな作品ですが、これがもっと大きな陶芸作品になって、料理を盛るお皿や器の脇に、一輪挿しを飾る花瓶が付いていたら、より豊かな食卓の演出が生まれます。今回は小さな箸置きですが、私にはこれが食卓の豊かなイメ-ジを、無限にふくらませてくれる「魯山人の箸置き」に見えました。

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Filed under: 特派員レポート — nakahashi 17:47
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