もの研特派員報告 東北に「みちのくの雪形」と「俳句」で応援!
3月11日の東北大震災。私は千葉県の幕張で帰宅難民を経験しました。
地震の後、以前、仙台に住んだ事のある私は、自粛より、
自分が出来る自分らしい応援をしたいと考えていました。
私は、毎年川崎市のア-トガ-デン川崎で開催の「美工展」に出品しています。
今年7月開催の「美工展」の出品作品を考えていましたが
「そうだ!今年は、東北への励ましとして、 みちのくの雪形を制作しよう」
と思いつきました。
以前の会社で、数年仙台に在住、営業で毎月一回は東北各地を廻っていました。
四季を通じ、みちのくの雄大な山々は、いつも私を励まし、又慰めてくれました。
今回の東北地震を考えて「海の被害は、山を眺めて慰められる」との思いで「み
ちのくの雪形」を制作しました。
「雪形」(ゆきがた)とは、古来、農家の方が田植えや種まきの時期を知るため、山の残雪の形を動物等になぞらえ呼んでいた風習です。
表現技法は「型絵」という方法で、厚紙をカッタ-で切り抜き、後ろに布を入れてまとめています。
今回私の作品は、審査の結果「美術工芸作家協会賞」を受賞致しました。大変嬉しく思います。
●岩手県=「岩手山・鷲の雪形」 (縦型の作品、山頂部分に羽を拡げた鷲)
岩手山は毎年四月初め、右方山頂に大きな「鷲」の雪形が現れます。。
昔から地元の農家では「鷲」が現れると、苗代の準備を始めたと、伝えられています。
岩手山の標高は2,038m。二つの外輪山からなる複成火山、岩手県の最高峰、日本百名山に選定されています。
●宮城県=「栗駒山・駒の雪形」 (青い山の左側、白い馬)
宮城県栗駒山には、疾走する「白い馬」の雪形が毎年6月初旬頃、栗駒山の南西稜線直下に現れます。
昔から地元の農家では「白い馬」が現れると、田植えの準備を始めたと伝えられています。
栗駒山は標高1,627m。奥羽山脈に属し、宮城・秋田・岩手3県にまたがる休火山です。
●福島県=吾妻小富士「雪うさぎ」 (山の右側、白いうさぎ)
福島県の裏磐梯・浄土平の吾妻小富士に、4・5月頃残雪の北斜面に大きな「雪うさぎ」が現れます。
昔から地元の農家では「雪うさぎ」が現れると、苗代に種まきを始めたと伝えられています。
吾妻小富士は、福島県福島市にある標高1,707m、富士山形の山、吾妻連峰のひとつ。現在「ももりん」の
愛称で福島市の観光キャラクタ―になっています。
★搬入日の朝7月19日(火)、朝日新聞朝刊に私の俳句が掲載されました。
これは、文化欄の「大震災を詠む」の俳句募集に投句していた作品です。
全国から約700句の応募があり、4人の選者の先生が各3句づつ選び、運良く入選し掲載されました。
「大震災を詠む」大串章選
避難所の子等なぐさめよ蝸牛(かたつむり) 荒木春雪子
主任研究員 荒木隆一