もの研特派員報告 茂田井宿(もたいしゅく)と、大澤酒造の銘酒「明鏡止水」

「シブ-イ宿場町なら、茂田井宿が絶対おすすめだよ!」
佐久平駅の観光案内のおじさんに教えてもらった茂田井宿は、
訪れるまで名前すら知りませんでした。
茂田井宿は中山道の望月宿と、隣りの芦田宿の間の
「間の宿」(あいのしゅく)として栄えた町。
北は浅間山、南に蓼科山を望む、田畑の拡がる丘陵地帯です。

ゆるやかな坂道に沿って酒蔵が続き、江戸時代の風情がそのまま残ります。
不思議なことに人が全く歩いておらず、実に静まりかえった町で
山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」のロケ地にもなったそうです。

私は旅から帰ると、早速、型絵の制作に取り掛かり、
6月の「美工展」に「茂田井宿」を出品しました。
作品2点のうち、坂道の石垣に沿って続く作品が大澤酒造の酒蔵です。

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当地は、日本酒ファンにはうれしい二大酒造元、
大澤酒造と武重本家酒造があります。有名な銘柄は大澤酒造の「明鏡止水」。
全国新酒鑑評会で毎年授賞する銘酒ですが、訪ねると試飲させてもらいました。

仕込み水は蓼科山の伏流水。磨き抜かれたキリリとした喉越しの良い地酒です。
「明鏡止水」という商標も実に見事。「荘子」の論語「徳充符」にもありますが、
意味は「曇り無き鏡と静かな水、何のわだかまりも無く、澄み切った静かな心の状態」です。

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大澤酒造の創業は、元禄2年(1689)に溯ります。
「明鏡止水」が生まれて満15年を迎えますが、地産地消の酒とのこともあって、
長野県の限られたお店にしか販売していないそうです。
東京でも最近、こだわりの地酒を扱う一部の酒屋さんで販売されるようになり
私も宝探しのごとく、あちこちの酒屋さんを探しまわりました。

なお大澤酒造は、酒蔵を利用して民俗資料館と山林美術館も併催しています。
こちらも見応えあります。「茂田井宿」、ぜひ一度おすすめのシブ~イ宿場町です。

           酒蔵の坂をくだりて新走り    荒木春雪子

◆「明鏡止水」のお値段
大吟醸720ml=¥2,625(写真の品)・純米大吟醸720ml=¥3,150
純米吟醸1.8l=¥2,751・垂氷1.8l=2,520・勢起1.8l=¥3,780
                          

                                  主任研究員 荒木隆一

Filed under: 特派員レポート — nakahashi 14:28
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