旧東海道宿場巡り 前編
静岡の食のブランドとなりうる商品の発掘するために、静岡市内の旧東海道を巡りました。府中以外の旧東海道五宿場を巡りながら、スイーツや海の幸、観光施設のおみやげを食して現地調査を行い、発掘を試みました。実際に訪ねることで雑誌にはない深い情報を得ることができました。
さて東海道五十三次について解説をしましょう。江戸時代に整備された五街道のうちの一つであり、江戸(日本橋)から京都(三条大橋)を結んだ53の宿場をいいます。安藤広重の浮世絵に代表されるように、道中には風光明媚な場所や有名な名所旧跡が多く、和歌や俳句の題材にもしばしば取り上げられてきました。
東海道をさらに分解すると、静岡県内には伊豆国(三島宿)、駿河国(沼津宿、原宿、吉原宿、蒲原(かんばら)宿、由比宿、興津(おきつ)宿、江尻宿、府中宿、鞠子(まりこ)宿、岡部宿、藤枝宿、島田宿)、遠江国(金谷宿、日坂(にっさか)宿、掛川宿、袋井宿、見付宿、浜松宿、舞坂宿、新居宿、白須賀宿)があり、今回はその中の静岡市を通る蒲原~鞠子を訪ねたものです。
では前編では蒲原から由比までを紹介します。
【蒲原】旅籠和泉屋~旧五十嵐歯科医院~志田邸(醤油・味噌屋)をめぐりました。江戸の宿場には見附や木戸を設けて入口としていますが、蒲原には今もなお当時の町割と木戸を見ることができます。特になまこ壁の白と黒のコントラストは装飾的で、江戸の雰囲気を漂わせていました。
志田邸:国登録文化財 屋号を「やま六」とし、醤油・味噌醸造を営む商家。安政の大地震後、安政2年(1855年)に建て直しされました。切妻造平入瓦葺で蔀戸(しとみど)のある町屋です。中には案内係のおばちゃんが2,3人いて親切に建物のことや暮らしぶりなどを説明してくれました。お土産品はいくつかありましたが、もうちょっと…でした。ただ文化財をこのような形で活用することは街づくりや建造物の維持・保存のためにはとても大切なことだと思います。
吉田家:屋号を「僊菓堂」とし、和菓子を作る商家。なまこ壁の「塗り家造り」で内部は柱がなく広々とした店の間が商家らしい雰囲気。
【由比】桝形跡(東)~お七里飛脚の役所跡~由比本陣公園~正雪紺屋~脇本陣~明治の郵便局~桝形跡(西)をめぐりました。安藤広重の浮世絵の題材となったように、由比は一帯が絵になる風景。
東本陣:通常の本陣とは異なり、街道に家屋を直面させず、石垣と木壁が作られています。敷地内には物見塔、本陣井戸が残り、現在は東海道広重美術館、御幸亭、由比宿交流館などが併設される由比本陣公園となっています。