映画「未来の食卓」に思う日本の食育
2009 年 6 月 29 日
京橋にある映画美学校の試写室で行われた「未来の食卓」の試写会へ行ってきました。ドキュメンタリー形式のこの映画では、南フランスにあるバルジャック村という小さな村が小学校給食や高齢者の宅配給食のオーガニック化を目指し、その挑戦を1年間にわたって追ったものです。
フランスは食料自給率が100%を超える農業大国でありながら、その実態は大量の農薬散布による健康被害や環境汚染など、見過ごしてはならない問題を抱えています。そのうえ映画の冒頭におけるユニセフ会議のシーンで「ヨーロッパでは癌の70%が環境と食料に原因がある」など示されたデータがなんとも衝撃的で考えさせられました。
バルジャック村の取り組みは何よりも子供たちの未来を守るためであり、美しい自然を
次世代へ残すことにもつながります。
一方私たちが暮らす日本では、すでに食料自給率は39%と先進国では最低水準となりました。いつしか私たちは豊かな自然と四季がもたらす旬の味を忘れ、家族との食卓は孤食となり、学校給食のあり方など本来持っていたはずの良さを失いつつあります。
食を通じた人格形成、家族や仲間との絆を深める再認識としても体育・徳育にならぶ食育が、よりこれからの時代に求められるのではないでしょうか。
ものづくり研究所では日々の活動において、食にまつわる生産者の方々の声を聞き、現場を見ています。
この映画から改めて日本の食について、取り組まなければならない課題は山積みであることを再認識させられました。
シネスイッチ銀座にて8月上旬に公開予定です。ぜひ足を運んでみてください。
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