羽二重とカシミア

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素材:羽二重とカシミア
この度、三代目は柔らかく、軽く、光沢があり、かつ暖かい、絹織物の王様「羽二重」と毛織物としては最高峰の「カシミア」とを組み合わせるという、こだわりをたくさん詰めこんだ最高に暖かいマフラーを完成させました。羽二重に江戸小紋柄を染め、和装にも洋装にも合うよう仕立てあがっています。絹とカシミアという、素材感の異なった繊維の組み合わせは、一見単純そうに見えますが、縫製は困難を極め、何度も試作を繰り返した末、完成した名品です。

職人:三代目・廣瀬雄望氏
染めの都・新宿で江戸小紋一筋に情熱を傾けている三代目・廣瀬雄望氏は歌舞伎役者・尾上松緑、片岡仁左衛門らの着物を染めるなど、多方面で高く評価されている伝統工芸士。近年、機械染を採用する工場が多い中、手付け(手染)にこだわり続けています。

技術:江戸小紋
武士の裃にルーツを持つ江戸小紋。遠目には無地。近づくと浮かび上がるため息の出るような繊細な柄が真髄です。江戸時代、各藩の武士たちは、こぞってその藩専用の柄(留柄)を裃に使って、権力を誇示し合いました。江戸小紋の柄付けは伊勢型紙(三重県鈴鹿市が産地)を使い、様々な彫刻刀を用いて彫り上げられた微細な柄の型紙を送って柄を付けます。そのためには極めて高度な技術が要求されます。

美しさと機能性を併せ持ったこのマフラー。マフラー以外にも様々な可能性が期待されそうです。


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江戸小紋染師 三代目 廣瀬雄望
昭和23年、東京都新宿区、落合生まれ。幼少時代から江戸小紋染に親しむ。昭和45年、父(二代目)の経営する廣瀬染工場に入り、江戸小紋を中心に極型染の修業に励むと同時に尾上松緑、片岡仁左衛門などの歌舞伎役者の着物を染める。昭和50年、江戸小紋無形文化財型染に認定。平成11年、通商産業大臣認定伝統工芸士に認定。三代目廣瀬雄望を継承。江戸小紋一筋に情熱を傾け、極型染の技術の高さは一目おかれている。

カタログ掲載例

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山田親方のリヤカー

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素材:スチールパイプ
安全で丈夫。使う人の身になって作られている。

職人:山田光男
18才で先代の弟子になって以来、仲間と競い合って技を覚える。古くは「農業に使う道具」として考えられてきたリヤカーだが「備えの道具」「ディスプレイ用」など現代の新しい需要にも積極に対応。

技術:国連で認められたリヤカー製造技術
リヤカーは長い鉄パイプを規格の長さに切断し、ギヤ式パイプベンダーを使って曲げる。昔の鉄パイプは、素材の品質が悪く、曲げているときによく折れ、溶接の段階でも気を抜けば金槌で叩いただけで取れてしまう。
そんな中「寝る間も惜しんで」腕を磨き熟練に至った山田親方。そのリヤカーが活躍する場は広い。国連の依頼を受けて、アフリカ・タンザニアに40日間の技術指導にでかけた。このとき継承されたリヤカー製造の技術は、現在、アフリカ復興のために活かされている。


p_061014_03 桜井広一山田光男
18 才で先代の弟子になる。「当時の仲間は競い合って技を覚えた。皆んな昼休みも返上して練習し勉強した。今考えればかけがえのない青春であり、懐かしい思い出です」昔の鉄パイプの材質が悪く、溶接と曲げにかなりの経験を要した。1年で一つのセクションの手伝い。4~5年でそこをまかせられる。10年で全体が見る事 ができる。設計からとなるとバリエーションもあり15年はかかる世界である。

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「幻の小刀」と真竹で創る“愛の竹箸”

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素材:日立安来鋼青紙1号A(鋼) / 真竹
藤原名人が猪狩の実戦から生みだした「木目切出し小刀」は刃先の鋼は最高級刃物用の材料として名高い「日立安来鋼青紙1号A」、地金は約100年前の英国製船舶の碇に使用された希少価値のある鎖(軟鉄)を使用。その鋼と軟鉄を真っ赤に焼き、鍛接・鍛造する。焼入れは日本刀と同じ工程。宮内庁御用達の竹細工工房の伝統竹細工工芸師・戸田和孝氏監修で、竹細工に最適な肉厚と刃の角度で設計。これに真竹をセット。説明書を読めば、手作りの箸が作れる。

職人:『木目切り出し小刀』の匠・藤原名人 作銘:敏成
五代目 竹細工工芸師・戸田和孝 氏

藤原名人は丹波篠山のプロのイノシシ猟師と交流するうちに、既存のナイフの性能に不満を抱くようになった。専門書を読み、刀匠のもとに足繁く通い、本当に使えるナイフとは何かを追求、ついに独学で本物のハンティングナイフ作りを習得、完成した作品はイノシシ猟師から大絶賛をあびる。プロ相手にプロ仕様でのみ製造されるため、一般には非常に入手困難。
戸田和孝氏は宮内庁御用達の戸田竹芸店の五代目。美吉かごの名人として知られる。独自の網目模様は、正倉院宝物殿に収蔵されている華籠の技法を研究したもの。国内外で個展多数。大阪府知事指定伝統工芸師。

技術:サブゼロ処理
切出し小刀の工程で特筆すべきはマルテンサイト(日本刀の刃先と同じ鋼組織)を作り出すために、焼入れ後にドライアイスでマイナス80度に深冷(サブゼロ処理)していること。最高の硬さを得るためには、この処理が不可欠。硬度が増し、鋼の金属組織が均一化し、切れ味が倍増する、ドイツゾーリンゲン社の刃物と同様の技術。切出し小刀でこのような手の込んだ技術が使われることは非常に稀で、藤原名人のこだわりを感じさせる。


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作銘:敏成。丹波篠山市のプロの猟師マタギとイノシシ猟をはじめ、独学でハンティングナイフの製作を手掛ける。実猟の”剛”と”雅”を造り分ける匠。
p_060831_04 竹細工工芸師 五代目
戸田和孝
 
宮内庁御用達の戸田竹芸店の五代目。美吉かごの名人として知られる。独自の網目模様は、正倉院宝物殿に収蔵されている華籠の技法を研究したもの。オーストリア、メルボルン、台湾、スイス、チューリッヒにて個展を開催。大阪府知事指定伝統工芸師。大阪工芸展入選他。

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