もの研展示会情報「第38回ホテル・レストラン・ショ-」-2

2月23~26日:東京ビッグサイト

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雪のかまくらを押しつぶしたような、不思議な形の白い瀬戸物たち。
穴の中には小さなアルコ-ルランプが灯っていて、上ではス-プが沸いています。
不思議そうに通るお客様や立ち止まって見るお客様、
この器たち、かなりの注目を浴びていました。
しかもお皿もまん丸ではなく、どれも一辺が切り取られたような形。
不思議に思い、出展者である愛知県陶磁器工業共同組合の方にたずねました。

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「新しい重箱の提案です。従来の重箱といえば四角い形の漆塗りの箱ですが、瀬戸焼だからこそできる特別感を求めて試行錯誤し、このシリ-ズを誕生させました。特別な日の料理を引き立たせるテ-ブルウェアは、様々な思い出を甦らせるものですよ」

このシリ-ズは、引き出し重(大)と(中)の2種類あり、
(大)の中に(中)がしまえる入れ子になっています。
さらにお皿がその中に収まるように設計されているという、アイディアに感心。
少しカ-ブしたフリ-カップや、箸置きまでも創られています。

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「実際に料理を大と小の乗せて、更に小皿を引き出したように並べて盛りつけると
一体感があって良いですよ」とのこと。

一式のセット料理がこのセットで並べられるとは、いやはや脱帽です。
肉やサラダのような洋食の方が似合いそうに思えました。
器のデザインで料理の見栄えもグッと変わるもの。器の力は偉大ですね。

日本の器は長い歴史と伝統をもっていますが、こうした
新しい提案、その時代のライフスタイルに応じた変化も
積極的に行うことが大切だと思います。

   新しきお重灯して春の暮   春雪子
                             主任研究員 荒木隆一

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もの研展示会情報「第38回ホテル・レストラン・ショ-」

2月23~26日:東京ビッグサイト

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この展示会は、ホテルや旅館で使う道具専門の展示会ですが、
毎年、面白く役立つ生活雑貨の新製品が登場するので楽しみにしています。

さて、こちらは九州新幹線「つばめ」の車窓に使われているブラインド。
素材には桜島の桜の木を使用しているという、なんとも興味深いものです。
出展者である大湖産業株式会社の方にお話を伺いました。

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「トンネルの多い路線を走るため、車内の反射光を和らげる優しい桜材の
ロ-ルブラインドを採用したんです。自然の色・光を感じられるように設計
しました。ただ、木製なので巻き上げると部厚くなってしまうことが課題でした。
新幹線の車内で使うには、狭い壁の中に巻き上げるるので厚くてはだめなんです。
通常は厚みが3ミリのところ、こちらは0.8ミリにして軽くカ-ルさせました。
薄いのでブラインドからでも、車窓の風景が透けて見えるんですよ」

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やわらかく温かい色調の桜の木の風合い、
さぞ落ち着いた日本調の車内であろうと思われます。
「博多から鹿児島までわずか2時間11分。短かすぎる、もっと長く乗っていたい」 
そんな気を起こさせる車窓ではないでしょうか。

風かほる桜の肌の車窓かな   春雪子
                                   
                                  主任研究員 荒木隆一

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