もの研特派員報告:「葦を編んだ帽子・ポ-チ」

8月4日(水)~6日(金)にわたり、
表参道Rin3Fにて「滋賀ほんまもん展」が開催されました。
 
私が一番関心を持ったのは(株)おおまえの新商品。
中でも太い繊維で編まれた白い帽子やポ-チが気になりました。

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(株)おおまえの大前社長に尋ると、
琵琶湖畔で栽培している葦を刈り取り後に乾燥させて織ったそう。
同社はもともと柿渋染のバッグや帽子で実績があり、
仕上がりは見事なものがあります。

商品が作られた背景には、琵琶湖畔の環境問題がありました。
近年、湖畔の葦が激減しているというのです。
そこで、自分たち自らが栽培して製品に使い、
また、栽培を続けることで環境問題の役に立ちたいという
思いが込められているそう。

それゆえ、この新商品も環境問題に真面目に取り組んでいく
意志のある企業と手を組んで販売していきたいとのお話。

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もう一つの新商品は、自然素材の麻を五重に重ねた「麻五重織物」です。
夏向きのタオルケットが展示してありました。
洗いざらしのまま、天日干したシワのある、いかにも自然の風合い。
麻の固いという印象はなく、五重による適度の厚みがとても心地よさそう。

もとは綿の五重織物の感覚で製品作りをしたそうですが
麻は天然繊維中最も強く固いために 糸が順調に流れず、
前処理や織機の選択・技術開発に半年もかかったそうです。

エコを考えた自然素材のものづくりは、
強い意志と研究努力が物を言うのかもしれません。

葦キャップ=3,150円 柿渋染アムンゼンプチシショルダ-=4,800円

展示会はこの他、
(株)カワサキの希少木材使用ブレス、(株)清原の縮緬カ-ドケ-ス等、
(有)重蔵窯の信楽焼の水琴窟が 出品されていました。

                                主任研究員 荒木隆一

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