日本の味・旬の味。《4月・野菜編》
成長が早く、10日(旬内)で竹になるといわれるところから「筍」の字があてられた【たけのこ】。旬は4~5月とされ、旬が明確なことから、特に季節感を大事にする日本料理では春の味覚として使われます。主な生産地は福岡県、鹿児島県、熊本県の3県。平成19年の生産量はこの3県で国内の6割を占めました。昭和60年までは国産ものが輸入量を上回っていましたが、平成19年時には1:9の割合で圧倒的に輸入量が多くなっています。
たけのこの種類は意外と豊富で、なんと約70種類。一般的な食用たけのこは、孟宗竹(もうそうちく)の若芽のことをいいます。
【孟宗竹(もうそうちく)】九州・四国から東北南部まで採れますが、土地により品質に差が生じ、味の良さで定評があるのは京都産のものです。大型で肉厚、実は白く柔らかで、えぐみも少なく、甘味を含んだ独特のうまみと、歯ごたえがあります。吸い物や和え物、煮物、揚げ物などに利用されます。
【淡竹(はちく)】5月頃、九州や関西地方から出回ってきます。原産は中国。皮の色は赤紫色、茎は淡い緑色で白い粉をふきます。肉質が薄く、味はえぐみが少なく淡白。
【真竹(まだけ)】関西、特に京都に多い種。皮は毛が無く、黒い斑点があり、民芸品や包装用に用いられます。肉質はやや硬めで、あくが強く、苦味もあります。
【根曲がり竹(ねまがりたけ)】(別名)五三竹(ごさんちく)、千島笹(ちしまざさ)、篠竹(すすだけ)
日本特産の笹で、東北、北海道などが主な産地。地方により呼び名がさまざまです。太さは1~2cm、丈は5~15cmぐらいで根元はやや固いですが、中身は白くて独特の風味と歯ごたえが特徴。市場に出回るものはほとんどがハウス栽培です。
春の行楽として、タケノコ掘りも楽しんではいかがでしょうか。トンボなどと呼ばれる先端の毛を目印に、すっぽり土の中にいる柔らかいタケノコを探すのがポイントだそうです。