日本の味・旬の味。《9月・お魚編》

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突然のように訪れた秋の気配。秋の魚といえばやはり【さんま】。
猛暑の影響による不漁から価格高騰が話題となったのは
まだ記憶に新しいところです。

さんまは季節回遊魚で、秋に突如現れるものではありません。
夏から秋にかけて北から南、冬から春にかけて北へと
大きな群れを作って移動しています。

特に北から南下を始める秋が脂が乗っておいしくなり、
一説には銚子沖に下りてくる10~11月の終漁期が
もっとも脂肪分が多いのだそう。

さんま漁業の歴史は約300年前までに遡り、
熊野灘がさんま漁の発祥地となります。
明治時代まで200年あまりは、旋網漁業に頼っていましたが、
現在は棒受網漁業によって漁が行なわれています。

一般的に魚は光に集まりますが、さんまは特にその習性が強く、
一度光に集まると大群をなして同一方向に海面の上層を旋回運動し、
容易には離れないそう。その習性を利用するため、さんま漁の漁船には
大きな照明装置が備えられています。

さんまは栄養価も高く、焼きさんま以外での調理方法を楽しみたいもの。
また、肝もおいしいので、新鮮な生さんまならぜひ肝までどうぞ。

社団法人全国さんま漁業協会のサイト内で
さんまの料理集がダウンロード可能です。http://www.samma.jp/

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もの研展示会情報:「第70回東京インタ-ナショナル・ギフト・ショ-秋2010」

9月7日(火)~10日(金):ビッグサイト

アルミ缶の折り鶴=(株)金鹿工具製作所

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今回のギフト・ショーは第70回記念ということもあって、
テ-マは、景気を浮揚させる「創意工夫のギフト戦略」です。
さてどんな創意工夫に出会えるか、楽しみにまわりました。

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私が最初に気になるブ-スは、自分の出身地、新潟県のブ-スです。
今回は「三条発、匠と技」と題して(株)諏訪田製作所、マルナオ(株)、
(株)タダフサ等16社が出展していました。

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特に関心を持ったのは、(株)金鹿工具製作所のアルミ缶の折り鶴です。
従来は、板金の職人が使う金切ハサミの製造が本業ですが、
昨今の景気低迷、新規の事業展開として一般の人や子供に、
アルミ缶を切って、折り鶴を作ろうという工作の提案を始めたもの。

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アルミ板は0.5mmのものが丁度よく、お父さんが晩酌で飲み終わった
ビ-ルの空き缶や、ジュ-スの空き缶を洗ってから、
専用の 金切ハサミで切り、折り鶴を作ることができます。

慣れたら、セミやクワガタ、あるいは飛行機なども自由に作れます。
新しい工作の教材として、これから盛んに広めてゆきたいという、
大きな夢の第一歩ですね。

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◆金属折り紙ツ-ルセット=12,600円 税込み
(万能金切りハサミ・細部を切るハサミ・つかみ曲げ、
つぶす箸の三点セット。以上ブロンズ製、ケ-ス入)

       天高しアルミ缶の鶴の夢     荒木春雪子

                            主任研究員 荒木隆一

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もの研展示会情報:「第24回東京ビジネスサミット2010」

9月2日(木)~3日(金):ビッグサイト

土佐の山奥で育まれる、幻の醗酵茶=「碁石茶」

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この展示会は、中小企業経営者の為のビジネスマッチングイベント。
経営システム分野、一般商品分野、食品分野、中国海外貿易分野と
4つに分かれ、他の展示会にはあまり出展していないような
企業の多いことが特長です。

食品分野では、思いがけなく私の気にしている
「碁石茶」が大きく展示されていました。
試飲してみると、ウ-ロン茶に酸味を利かせたような味わいです。
出展者の方にたずねてみました。

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「酸味の正体は乳酸。お茶に乳酸とは不思議な組み合わせですが、「後醗酵」と言われる独特な製法から生まれます。
大豊は土佐の山奥、吉野川上流の険しい山肌で栽培した茶を6・7月中旬に枝ごと刈り取り、大型の桶で醗酵させた後、茶葉のみをむしろを敷いた土間に積み上げ数日間放っておきます。すると、土間に住みつくカビが働いて、茶葉を発酵させてくれます。その後、茶葉を再び数週間漬け込むことで第二弾の醗酵が行われ、乳酸の量が増加します。茶葉を取り出したら3cm角に包丁で切り、真夏の最も暑い日を選んで天日干しを行います。 完全に乾燥させて保存性を高めます」

「碁石茶」と呼ぶ所以は、昔は茶葉を丸めて並べて干したので、
遠くから見るとそれが碁石が並んでいるように見えたことによるようです。

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ル-ツは中国の雲南省の酸茶。江戸時代後期から明治時代には地域特産物の顔に。
しかし昭和後半にもなると大豊も過疎化と高齢化が進み、生産者数が激減。
わずか一軒のみとなりました。
あわや、風前の灯! そこに、突如追い風。近年の健康ブ-ムです。
マスコミで話題となり、一躍地元の人気健康茶となりました。
今や生産農家は七軒に増え、大豊町碁石茶生産組合もできたということです。

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ところで、一躍注目されるお茶となったのには、それなりの理由があります。
ダイエット・便秘・腸内活性(整調作用)・老化防止などに良いといわれ、
乳酸菌による腸の働きの活性には即効性があります。
醗酵食品の権威、東京農業大学の小泉武夫教授もこの発酵茶を勧めています。

私は四百年もの伝統ある幻の「碁石茶」が、とだえる事なく復興し、
若い人達も地元に戻ってきて手伝うようになり、
立派に「大豊の町おこし」になってきた事実にとても嬉しく思いました。

●碁石茶(50g)=¥2,940 ●秘宝の三年物碁石茶・桐箱入(50g)=¥4,725 ●碁石茶飴=¥300

主任研究員 荒木隆一

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